一介の中年オヤジが突然コイン蒐集に目覚め、その時代を捜し歩く。 「古銭蒐集は貴族の趣味である」とはよく言ったものだ、と遅まきながら反省してる・・・・。取敢えず、タイからスタート。

2007年1月28日日曜日

16.偽物と思われるもの


タイで購入した模造品、偽造品です。上段左はと下段中央はDvaravati期、下段右はKhmer、その他はSrivijayaを手本にしていると思われます。数年前フランスのルーブル美術館の北側に店を構えていたコイン商から聞いた話では、偽造は北朝鮮、台湾、スーダン製が多かったとのこと。余談ながらこのコイン商は若いころジャカルタに居たことがあるユダヤ人で、ヘブライ語は当然ながら英語、仏語、独語、マレー語と多少の日本語が話せました。パリへ行った際は毎回寄るようにしていますが、いつもいろいろな国籍のコレクターで賑わっていました。某英国のコイン関連サイトに、タイでは2004年前後からFake偽物が突然増えたとの記載もあります。しかも表と裏のを適当に組み合わせたFakeまであるとのこと。貨幣は通常、平面円形金属への打刻か或いは型へ溶かした金属を流し込む鋳造という2種類の方法があります。しかし金属の配合や鋳型作りが進歩すると、本来打刻だった貨幣を鋳造という方法で偽造することが容易になります。微細で正確な金型を作れる技術が定着した地域では、貨幣の偽造が増えます。タイもその一つの地域かもしれません。さらに需要が増えることも偽造作りの一因のようです。上記写真のものはそれほどの正確さを要求されるレベルではないので製造コストも安いと考えられます。北京の某骨董屋で聞いた話では、貨幣に限らず複製した骨董品に硫酸をかけて1年程度土に埋めるとのこと。需要があるから即ち商売になるから偽造品を作るのであって、観光客もいない時代にはこんな面倒なことはしなかったと言っていました。最近のバンコクのチャトチャック市場でもDvaravatiデザインの偽造貨幣が突然増えたようです。複数の露天商で同じデザインのものの展示が突然増えていました。経験上、次のような点を真偽の判断にしています。、彫が甘い、側面処理が正確でない、含まれていない筈の金属の錆が浮いている。そのためには普段から博物館等で本物を見て目を肥やす必要があります。また、たくさんの骨董屋や露店を見て回っているうちに、同じ貨幣の同じ箇所に傷があったりします。安い銀製貨幣はチオ尿素系の硫化物除去クリーナーに入れてみることもあります。本物を傷める危険性もありますが。

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